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vol.11社会環境の変化・地域性は、乳幼児の父親の子育てにどのような影響をあたえているか
〜妊娠期から0歳児をもつ家族のフォローアップ調査2〜
ベネッセ次世代育成研究所主任研究員 高岡純子さん |
2009年8月、ベネッセ次世代育成研究所から、第二回目となる乳幼児の父親の子育ての実態、しつけや教育、ワークライフバランスに関する意識や実態をとらえる調査が発表されました。
今回特に、家族とのかかわりについて首都圏と地方との比較調査も行われた事も特筆すべき点です。
2005年の第1回の調査から、お父さんにもどのような変化が見られたのでしょうか?
調査研究を行なった、ベネッセ次世代育成研究所主任研究員・高岡純子さんに、今お父さんたちがおかれている立場や、よりよいワークライフバランスのあり方を中心にお話を伺いました。
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―今回、2005年からの第2回目は、地方部でも調査を行ったとのことですが、新たにわかった、首都圏のお父さんとの違いはありますか?
高岡 はい。今回新たな試みとして、国政調査の結果から全国からピックアップとして三世代同居の多い上位10県を選んで、家族とのかかわりについて比較調査を行いました。
10県中4県が、東北が多いというのも面白い結果だと思います。
首都圏のお父さんの通勤時間が50.9分に対して、地方のお父さんは21.9分と半分以下、帰宅時間も1時間程早いという結果が出ました。その分、子どもと過ごす時間も長くとれるということも伺えます。
また、三世代同居の家庭では、夫婦二人で出かける機会や、祖父・祖母の協力度合いも高く、首都圏のお父さんが、帰宅時間も遅いうえに、近くに手伝ってくれる人も少なく、子育て環境という面でいかに大変な状況におかれているかということもわかりました。

―前回(2005年8月)から4年経っての調査ですが、比較して大きく変わった点はありますか?
高岡 やはり、不況の影響か、お父さんのおかれている状況が厳しくなっている印象を受けました。
例えば、家事や育児に今以上にかかわりたいと思っている割合が、6%以上も上がっているのに対して、実行面では意識ほど変化がありません。
もう一つ、育児休業制度についても利用率はあまりあがっていませんが、利用しようと思わなかったという回答はかなり減っています。
父親として今後不安なことについてのアンケートでも、上位3項目が経済的な理由、年収別にみるとさらに差が広がっており、社会の厳しさを背景に見る結果となりました。
速報版では掲載していませんが、最後にフリーアンサーを取ってみたところ、国や政治に対する要望等、切実なものも出てきました。

―育児休業をとっても、お父さんにとっては育児というものが新しい仕事になるわけですよね。
高岡 そうですよね。特に、初めてのお子さんをもつご家庭は、生後1年間の父親の育児協力というものが、父親と子どもの愛着関係につながる大切な時期だと私たちもとらえています。
なかなか、育児休業をとりにくい環境ではあるようですが、お父さん達も色々やりくりされていて、出産に伴った有給休暇取得率は50%を超えており、立ち会い出産の割合も増えています。
ただ、立ち会い出産は単発的なものであるので、産まれた後の毎日の子育てについては、お父さん達もまだまだかかわりきれていないのではないかと思われます。
別の調査で、生後1年間にどれだけお父さんが子育てに関わっているかによって、父親としての自信の有無に差が出てきていることもわかっています。
これは、妻から夫に対する愛情の度合いにもつながっていますので、子どもが産まれてからの最初の1年間の大事さというものをよく知って頂けたらと思います。

―全体を通して感じたことや、改善すべき点について教えてください。
高岡 やはり今回、母親の調査の時よりも、お父さんの方が社会の影響をストレートに受けた結果になったと強く感じました。
また、個人の力でなんとか出来ることを超えている問題も多かったというのが強い印象です。
ワークライフバランスの視点からも、出産後1年は早く帰してあげる等、会社側も柔軟な勤務制度を取り入れる必要があるのではないかと思います。
これから、一人一人の頑張りも応援しつつ、社会・地域全体も連携をとって、社会全体で、父親の育児参加に対して、粘り強く活動していく事が必要になっていくと思います。
―最後に、今後の活動や展望などを教えてください。
高岡 今年3月に、今回と同じテーマで北京・上海・ソウルで東京との比較調査を行いました。
東京のお父さんが、どれだけ大変な状況におかれているかという結果を得る事ができましたので、6月中の公開を楽しみにしていてください。
また、これからヨーロッパの育児環境についても調査をしていければと思っています。
これからも、ためになる調査研究を続けてください。
今日はお忙しい中、本当にありがとうございました。
◆第2回 乳幼児の父親についての調査
http://www.benesse.co.jp/jisedaiken/research/research_09.html
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